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2020/05/07
永住許可の取得について
日本に在留する外国人にとっての大きな目標として永住許可(永住者VISA)の取得があります。
永住権(えいじゅうけん)とは、外国人が在留期間を制限されることなく滞在国に永住できる権利のことで、日本の入管法では永住許可と呼ばれ、これは在留資格を有する外国人が永住者への在留資格の変更を希望する場合に法務大臣が与える許可です。永住許可を受けた外国人を永住者と呼びます。
永住許可が取得できると、どのような良いことがあるのでしょうか?以下で見ていきましょう。
目次
1)在留期間が無期限になる
永住許可が取得できると在留期限は無期限となります。
永住者以外の在留資格は、1年、3年、5年などの在留期間というものがあります。
許可された在留期間の間は、日本に居住して生活することができますが、それ以降も日本で生活がしたい場合は、在留期間の終了までに在留期間更新申請をして、その許可を得えなければ日本に在留することはできません。永住ビザへの変更後は、この在留期間更新許可申請は一切不要になります。
2)就労制限がなくなります
日本の在留資格は、大きく分けて何かの活動をするために日本に在留する事が許可される活動系の在留資格と日本における身分、地位により与えられる身分系の在留資格の二つに分けることができます。
「永住者(特別永住者含む)」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」などの身分系の在留資格には、就労制限がありません。違法行為にならない限りは、どんな仕事でも自由に行うことが可能です。
活動系の在留資格はその中で大きく二つに分けることができます。一つは、技術・人文知識・国際業務や技能等のVISA(在留資格)で、許可された機関で許可された範囲の仕事を行うことで、就労することが在留認められます。一方留学生や家族滞在の在留資格は、日本に来る目的が就労ではありませんので、それらの在留資格では就労することはできませんが、資格外活動許可を得ることにより、風俗関連業務を除く、1週間に28時間以内の就労ができるようになります。
しかし、どちらのグループに属する外国人も永住許可が取得できると就労への制限がなくなり、職務内容・職場・就労時間に制限を受けることなく働くことが可能になります。
仕事をしなくても在留することが可能です。日本が好きになって、ずーっと住みたければ、好きなだけ日本に居られます。年齢が高くなると再就職は難しくなりますので、チャンスがあるときに永住申請を申請すべきだと私は考えます。
3)起業が自由にできるようになります
上記の2)で説明しました活動系の在留資格で在留する外国人が日本で起業して、会社を経営するためには、経営・管理のVISA(在留資格の取得)の取得が必要です(高度専門職の在留資格者を除く)。
その取得には、入管法で定められた要件に合う事務所を用意して、「資本金500万円以上を用意する」または「常勤の2人以上の社員を雇用する」規模の事業であることなどの要件を満たす必要があります。
しかし、永住許可を取得できれば就労制限がなくなりますので、上記の要件に関係なく自由に事業の経営管理をすることができるようになります。
日本人と同じように資本金がわずかでも、自宅を事務所とすることでも起業が可能になります。
4)社会的な信用が上がります
永住権を得られると社会的な信用が上がります。
社会的な信用が上がったとわかる良い例が、金融機関からのローンの利用がしやすくなることです。
住宅ローンや車ローンはもちろん、融資も受けやすくなります。
銀行によっては、永住者でないとローンは利用できないとの内部規約があるところもあるようです。
ただし、永住者の資格を得ているからと言って、必ずしもローンなどを利用できるとは限りません。
ローンなどの利用には、毎月の給料などの収入や資産の問題も関係してきます。
永住許可に関するガイドライン
以下は、法務省が公表している“永住許可に関するガイドライン”です。ここには永住許可を取得するための法律上の要件、特例が記載されています。ご確認ください。
永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)
1 法律上の要件
(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず,その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税,公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
ウ 現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
※ ただし,日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には,(1)及び(2)に適合することを要しない。また,難民の認定を受けている者の場合には,(2)に適合することを要しない。
2 原則10年在留に関する特例
(1)日本人,永住者及び特別永住者の配偶者の場合,実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
(3)難民の認定を受けた者の場合,認定後5年以上継続して本邦に在留していること
(4)外交,社会,経済,文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で,5年以上本邦に在留していること
※「我が国への貢献」に関するガイドラインを参照して下さい。
(5)地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において,出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い,当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合,3年以上継続して本邦に在留していること
(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。)に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ 3年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令
に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。
(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令
に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。
(注1)本ガイドラインについては,当面,在留期間「3年」を有する場合は,前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととする。
(注2)前記2(6)アの「高度人材外国人」とは,ポイント計算の結果70点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し,前記2(7)アの「高度人材外国人」とは,ポイント計算の結果80点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当する。
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